NakedWildChild

吉田正太郎&吉田浩太郎

吉田兄弟はアコースティック・ギターとウッド・ベースでジャズに深く根差した音楽を志向する。べーシストの正太郎（兄）の守備範囲はフリーからスタンダードまで幅広く、都内のライヴハウスにて活動中。ギタリストの浩太郎（弟）はブラジル音楽、中でもショーロの影響を時折感じさせるAcoustic Dub Messengersのメンバーも兼ねる。2002年、吉田兄弟とドラマーの菅沼雄太によるユニット、Cepのアルバム『Birds-Eye View』をリリース。

今回は、彼らのスポンティニアスなミュージシャンシップでDokakaを全面的にサポート。



Cep "Birds-Eye View" Angel’s Egg

音が訥々と生起しては消滅する、音と音の間（ま）をまさぐる即興音楽。シカゴ系ポスト・ロック＆ジャズ、シカゴ・アンダーグラウンドやプルマンやタウン・アンド・カントリーの静謐な佇まいとも共鳴する優しく厳しい響き。リードを取る楽器が人の声に聞こえなくもない"Wui Hoong Yong"のユーモラスな感触が、Dokakaとの出会いを予測させる。


Angel’s Egg

Acoustic Dub Messengers

Dokaka

大田区出身のヴォイス・パフォーマー＝口音楽奏者。アフラとよく間違えられるが（2人はQuick Japan主催のイベントで共演済）、ヒップホップをルーツに持つアフラに対し、ドカカは幼い頃の自宅録音癖、ヘヴィメタルやプログレ好きでロックやジャズを聞いて育ちバンド経験で培った音楽性と（スキャットやドゥワップに通じる要素も見え隠れする）、全てのパートを口でやるというフリークス性が奇妙に同居している。

今回は、いくつかのソロ・ライヴを経て（日本での初ライヴとなった10月の"Sound Cave"では女子十二楽房の「自由」をカバー！）、今回バンド編成でのライヴに挑戦する。CEP、アコースティック・ダブ・メッセンジャーズのメンバーでありジャズやポスト・ロック的なセンスを兼ね備えた吉田兄弟（三味線の吉田兄弟とは別人）のギターとウッドベース、maoレーベル主宰／pasadenaの石本聡のダブ・エフェクトと絡む。




Bjork "Medulla" Universal

ビョークの新作に収録された"Triumph Of A Heart" が、DokakaがMP3サイトで発表した楽曲以外では唯一のオフィシャル・リリース。ラゼールとの掛け合いで（実際には別々に録音）、ヒューマンビートボクシングの醍醐味を堪能できる。スネアの「タン」という音やタムの連打（Dokakaのライヴでは身振り入りの熱演でクラウドのウケがいい）、ワウワウ・ギターのような音に彼の個性が炸裂。来年シングル・リリースされる予定。PVにはDokaka自身も登場するとのこと。


Dokaka

Bjork

DJ Kensei

90年代初頭から日本のアンダーグラウンド・シーンで最も先鋭的な活動をするDJ。プロデュース・チーム、インドープサイキックスやファイナル・ドロップ、ケムリ・プロダクションなどのユニットにおいて自らが感じるその瞬間を音に託してアウトプットし自己再生を続ける。ターンテーブル、サンプラー、ノーツ＆パッドは単なるツールに過ぎない。現在、NYCでジミー・スミスに師事したオルガン奏者KANKAWAとnude JAZZ名義としても活動している。毎月、渋谷NUTSでDJ HIRAGURIらと"Neutral"というレジデント・パーティを継続中。

今回は、アシッドハウスやイタロハウスなども飲み込みつつ、パル・ジョイに代表されるようなホコリ臭くイナタいNYCハウスにインスパイアされた音をプレイする予定。


　

The RAMM:ELL:ZEE　”This Is What You Made Me" Tri-Eight

時空を超えた表現者、ラメルジーとDJ Kenseiとは、日本におけるエレクトロ再評価の台風の目となった"ILL-CENTRIK FUNK NITE"で共演した関係。このアルバムは、彼の卓越したトラックメイキングとD.O.Iのエンジニアリングがガップリ4つを組んだインドープサイキックスとしての事実上のラスト・レコーディング作。ヒップホップ・クラシック”Beat Bop”のあの不思議な酩酊感覚が蘇る。


DJ Kensei

Tri-Eight

Flatic aka DJ viridian

クリエイター集団「イセネエヒヒネエ」のアーティスト、DJ。2003年、plopより一見典型的なラップトップ系サウンドに見えて実はサンプリングとシーケンサーによって組み立てられたアルバム『NANO／YOUTH』を発表。本人は「ナンチャッテ」な作品だと謙遜するが、ドイツ音楽誌「DE：BUG」において“水墨画のサイケデリック・・・”などとレビューされ、何気に五つ星を獲得。DJテクノライト５(ザマギ)とのチーム“COS/MES”としても活動。既成概念をぶち壊す“あり得ない感”を持ったマッドなDJを展開中。

今回はハウス寄りのアプローチで、彼の持ち味であるセンシブルで表情豊かな、ダンスにもリスニングにも対応できるプレイを聞かせてくれるはず。




Flatic "Nano/Youth" Plop

デトロイト・テクノやベルリン・ダブやブレイクビーツ・サイエンスを中和させたこの滋味溢れるエレクトロニック・シチューは、いつどこで聞いても気分を高揚させつつ中庸にチューニングしてくれる精神安定剤として作用するだろう。アゲすぎずサゲないという絶妙なバランスが東京的とも言える彼の力量とセンスを物語る。Naked Wild Childrenのためのオールタイム・レコメンド・ディスク。


イセネエヒヒネエ＝他社比社

Plop

shibuya FM playlist

2004.12.27. 18:00 - 19:00 on air

Coppe "Shabondama" from "8" (mango & sweet rice)
Back Ted N' Ted "Opening Credits" (unreleased)
Coppe "I Lick My Brain In Silence" from "8" (mango & sweet rice)
Bjork "Triumph Of A Heart" from "Medulla" (universal)
Final Drop "Into The Elements" from "Elements" (ksr)
Flatic "Vanishing Point" from "Nano/Youth" (plop)
Kamome Kyodo Kumiai "乱" from "カモメはカモメ俺は俺"
Cep "Scope" from "Birds-Eye View" (angel's egg)
Nobukazu Takemura "Croon" from "10th" (childisc)
Eiji Mitomi "Future Days" from "Future Days" (childisc)
Coppe "Zojoji" from "8" (mango & sweet rice)


渋谷FMの「Club Radio Dictionary　音選協アワー」の特番として、
今回の出演アーティストの曲をトークと共にお送りしました。

Dokakaは今のところオフィシャルでは唯一のリリースとなるビョークの曲を、
DJケンセイは数あるプロジェクトの中からFinal Dropをセレクトしました。
こうして並べて聞くと、イベントの音の方向性がにわかに見えてきた気がします。